タイトル：むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。 むかしむかしあるところに、死体がありました。
著者：青柳碧人
評価：★★★★★
日本昔話に準えたミステリーの第3弾、どうやら最終巻のようです。このシリーズが好きなので残念です。赤ずきんちゃんシリーズは続いてくれるといいのですが……(´;ω;｀)
このシリーズは、もとはどんな童話だったっけ、と考えるのもまた面白いです。そしてタイトルにあった、めでたしめでたしは……めでたしだけど、なんか違う！ そう言い切るのはちょっと……と思ってしまいました。
こぶとり爺さん、耳なし芳一、舌切り雀、最後が、金太郎とたぶん＋いろいろ混ざってそうな話でした。最後２話に出てきていた太郎さんも昔話の主人公っぽいんですが、何の話かは分からなかったです（本当に昔話の主人公かもわからないですけど(-_-;)）
舌切り雀の話は、原作はおじいさんが大中小のつづらを選んで持ち帰りますが、今回は、事件の大まかな流れは同じなのですが、大中小どれを持ち帰ったかで一部中間の話が若干変わってきます。そのすべてを見て事件の流れがわかるような仕掛けでした。
はじめは「え？ 時間戻ったの？？？」と思いましたが、たぶん3つのうちのどれが本当にあったことなのかは、読者にゆだねられているのかな、という気がしました。最もオチはその続きなので、道筋は複数あっても結局行きつくところは同じなのだと言われているような気もしました💦
あと、最後2話はつながっているのですが、あの、おしゃべりな女の子、なんかこの物語の続きがあったら、とんでもない怪物になりそうな予感がしてちょっと、というかかなり怖くも感じました。
日本昔話がメインだからなのかもしれませんが、これで終わり、というのは本当に寂しいです。
外国の童話がもとになっているもう一つのシリーズはもう少し続いてくれますように、と願ってもしまいました。
