タイトル:あかね紫
著者:篠綾子
さ、作家ってすごい……歴史での出来事や歴史上の人物をものすごくよく知っていて、それを破綻ない物語として……歴史苦手、興味ない人間にすら興味を持たせて、しかも覚えられるって……
今回の小説はとりかへばや物語風にした道長の子供たちの話、ですが……マジですごい。調べてみたら、あ、この流れ、マジであり得るんだ………
始まりは、賢子(紫式部の娘)、小式部内侍(和泉式部の娘)、中将の君の三人が藤原頼宗の依頼で彼の弟と妹と会うところから始まります。
幼い頃から人見知りで。女性の格好をしながら奥で過ごしていた小若君(明子の末っ子、のちの長家)と男の子の格好で外を飛び回り元気に動き回っていた六の君(倫子の末っ子。のちの嬉子)。とりかえばやだ〜〜とその時点で思っていたのですが……
この二人に注目してとりかえばやにしたのすごい!
母親が違う歳の近い兄妹、兄は兄弟で一人だけ倫子の養子となっていますし(同じ敷地で暮らすことに……)、妹は入内していますし、兄の一人目の妻は幼くして亡くなっていますし(形だけの夫婦でいられるし……)
ただ、東宮が男なので、兄が男に戻ることはないかな……と思ったら、中将の君がその役割を💦しかも、中将の君、小若君が最後に結婚した相手で、道長に大反対されたのに反抗して妻に迎えた人、らしいです。
他、賢子と兼隆の恋愛模様。なんか前に読んだ「利益だけの夫婦」が頭にあったので、結びつくのに時間がかかりました。
一つ、不満は……ふりがな。彰子があきこだったり、倫子がのりこだったり……そういう読みがあるのはわかっているのですが、私に中ではしょうし、りんしなのでかなり戸惑いました(基本、しょうし、りんし、と読んでいましたが💦)