タイトル:紫式部の娘
著者:篠綾子
あかね紫が面白かったので、速攻3冊セットで購入しました。時代的にはあかね紫の前、賢子が彰子に出仕し始めた頃のことです。今ならまだまだ子供のお年頃ですが、この時代では立派な大人。
私、歴史小説は同じ作家さんの話を続けて読むのが好きです。明確なシリーズじゃなくても、裏に繋がりがあることが多いので。ようは、歴史に対する考え方や知識、捉え方はそうそう変わるものではないので、物語の軸は一緒なんですよね。だから、続けて読みたいんです。
あと、私も凄い🥰 この方の名前の読み方は、私のとは違うのですが(昔の人の名前の読みって色々な可能性があるじゃないですか。特に女性)、あかね紫はたまにふりがながあるだけでしたが、この紫式部の娘は全ての漢字にふりがながついていて「あれ? 児童書? もしかして内容薄かったりする???」とちょっと不安にもなりましたし、読みもなんか嫌だな,と思っていましたが、なんかすぐにふりがなを無視して読めるようになりました、例えば、彰子、「あきこ」とふりがなが振ってありましたが、普通に「しょうし」と読んでました🥰 後内容はガッツリ濃くてめっちゃ良かったです。
兼隆との出会いにもびっくり。「え? これ、恋人に、なる???」もしかしてあかね紫とは違う歴史構想で書いてるのかな? と思いましたが、最後まで読んで、あ、同じだった。と思いました。
最後に、小式部内侍と賢子が百人一首に載せているそれぞれの句の前身となるであろう句を和泉式部に添削してもらっていて、見覚えはあるけど全く同じわからなかったので、比べてみました。やはり、若干の違いがありました。そして、最後に「引用和歌」と「参考和歌」が載っていて、その参考和歌の中にこの二句があったので、この物語とするために作者が変更したのか。作家って……和歌まで作れるの? まじですごい。
私は歴史研究者にも作家にもなれるほど頭が良くないですが、そんな私が昔の時代の世界観に浸れるのは、歴史に詳しくて、それを知識がない人でもわかりやすいように物語としてくれる作家の皆様のおかげです、と本気で尊敬します。
次は同作家さんが書いている道長の話を読む予定です。この流れで読む道長の話が面白いだろうな、と今からめちゃくちゃ楽しみです。