徒然なるままに

本の紹介や、シェイプアートなどなど、その時々ではまっていることをご紹介します★

千年の黙 異本源氏物語 平安推理絵巻

タイトル:千年の黙 異本源氏物語 平安推理絵巻

著者:森谷 明子

 

今月に入って10冊目の読了本。私はkindle本愛読者(好きな作家さんの新刊でkindleが出てない、とかは普通に紙の本手に入れますけど、片付け苦手っ子+読み終わったらすぐに次の本を探す派なので、いろいろ試した結果結局ほぼkindleで埋め尽くされています(^^♪)なので、ちょっと今月やばいかも……と思い始めたこともあって、ほかに読みたいシリーズの続きとはいったんぐっとこらえて、新しい本開拓をkindle unlimitedで探した結果、見つけたのがこの一冊でした。ただ、せっかく読み放題で読める本開拓したのに、それが面白すぎて続きを即購入してしまったのであまり意味がなかった(-_-;)

探している時に、不意にいずれノベライズになったら買おうと思っていた今年の大河ドラマのことを思い出して、『紫式部』で検索した結果出てきたのがこの一冊でした。

私は過去に2回源氏物語を読んでいます(どちらも翻訳者?でいいのか? は違うのですが)。普通の歌として載っている源氏物語は私には難しすぎてダメでしたが、小説風に訳されているのは面白かったです。ただ、難しいは難しいので話を覚えているわけではなかったので1回目だけではなく2回目も新鮮な気持ちで読んでいました。ただ、一番最後が、1回目に読んだときにもしかして途中でやめちゃったのかなというくらいに中途半端感が否めなかったのですが、2回目もその場面で終わりだったので、あ、ここまでなのかと思ったのが印象的でした(^^♪

今回は、源氏物語がメインではなく、それを描いた紫式部のお話です。といってもメインは紫式部ではなく、彼女の侍女をしている女性で、一番そば近くで紫式部を見続けていた女性です。ミステリーの分野にはなるのかな、とは思いますが、事件が起きてのミステリーではなく、日常的な話や、昔なので怨霊悪霊の類に悩まされる人の話、などでした。

それで読んでいて作中で出てきた『輝く日の宮』という話にん? と思い調べてみたら、失われた(可能性のある)話だと書かれていました。実際に本文が書けれも残っていないので、失われたと言い切れずもともと存在しなかった説も有力のようですが、この物語の中では、輝く日の宮が失われた過程について描かれていました。その失った方法は途中で「あの場面か!」と思ったのですが、私最後まで勘違いしていて、あの子供の正体に気づかないという失態が(-_-;)

今回の話は、3部構成?で1部が、藤原道長の娘、彰子が入内する前の話であり、紫式部藤原道長からの依頼を断っているころ(不思議な猫探しの事件)、第2部がその数年後、源氏物語10巻が話題になったころ。本来なら失われた輝く日の宮で語られた部分は誰も読まれていなかったために出ていた矛盾を、失われた過程の真相その他を紫式部が飲み込んだうえで、少しだけ追記していました。それが、ずっと拒んでいた宮中入りを紫式部が受け入れたときでした。その時に解決したのは、誰もいないのにかき鳴らされる笛の音の謎。そして、最後が後日談ですね。紫式部が宮中に入ってからその後、紫式部の死後の話まで。そこで初めてはっきりと物語が失われた過程がわかりました。

ってか、藤原道長……やばい、え? あいつ本気? というくらいヤバイ。権力を持つ人ってこれだから……(-_-;)

 

第二巻は輝く日の宮の物語と後日談の間の話、のようです。

一巻とは印象が違う、との話なので、楽しみです。