徒然なるままに

本の紹介や、シェイプアートなどなど、その時々ではまっていることをご紹介します★

紫式部の一人娘

タイトル:紫式部の一人娘

著者:阿岐 有任

 

世間も紫式部祭りになっているところで、新たに出た紫式部の一人娘。以前読んだ紫式部の話にも出てきていた賢子(かたいこ)。私は歴史には詳しくはないので(小説になっていれば読むけどほかの知識ってないんです💦)、紫式部について調べたときからずっと疑問でした。どうやら源氏物語の著者として有名な紫式部の本名は不明のようなのに、なぜその娘の本名は知られているのだろう??? っと。その理由が一挙解決しました。まあ、前半はずっと『題名詐欺だ~~~~!!』と思っていましたけど(^^♪

短編連作集で、4つの話からなっていました。

紫式部の弟の恋人だった女性(斎院中将)の話

藤原道長の五男、藤原教通の話

・元子女王(皇族に連なる姫で、小説の中では天皇に愛されたけれど、同じ愛を返すことのできなかった女性)

まずその3篇が先に来て、その間紫式部の娘である賢子は名前だけ……とか、存在だけ、とかそんな感じでしかなかったので『え? 題名詐欺!!』と思っていましたが、最後の1話が賢子の人生を描いていました。そして、その話を理解するためには、前の3篇が欠かせなくて、すべてが一本の線に繋がりました。

まず思ったのが『題名詐欺なんて言ってごめんね』でした(;'∀')

そして、賢子の本名が残っている理由がわかりました。そりゃ残るわ。なんせ、天皇陛下の乳母であり、母のようなものだったのだから(しかも実母がなくなっていたことで、唯一の母ともいえる)。

小説とかを読んだうえでの感想でしかありませんが、私の中の印象で、紫式部はどちらかというと芸術家肌の人間で、コミュ障という印象でしたが、その娘は、出世と幸せを手に入れるためにどん欲なまでに手を伸ばしている印象でした。

そして、最後にそのどちらも手に入れたのだから、凄いな、と思いました。

やっぱ、自分にいろいろな知識と、そして、不思議な世界への道を示してくれる物語を読むのが楽しいです。

今はいろいろな知識をためていきたいな、とも思います。