徒然なるままに

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義経じゃないほうの源平合戦

タイトル:義経じゃないほうの源平合戦

著者:白蔵 盈太

評価:★★★★★

 

源平合戦物はほぼ読んだことがなかったです。それに近い時代で言うと……大河ドラマ平清盛のノベライズくらい、かな? という程度の知識しかない私でも、源頼朝源義経も知っていました。でも、その間に、いたのね、しかも一応総大将を務めていた兄弟が、という認識で読み始めてみました。

政治力にたけた頼朝、戦能力に長け自分の力に絶対的な自身がある義経、その二人に挟まれて目立った能力がない範頼。この話の冒頭についている登場人物紹介を見て、まずやったことは小説を読むことではなく、範頼についてWikipediaで調べることでした。それくらい初耳だったんです💦

読んでいて、なぜか初(浅井三姉妹の真ん中の子です)を思い出しました。真ん中は上と下をつなげる役割があると、市が告げていたという小説を読んだことがあるのですが、それを思い出したんです。範頼も頼朝と義経、その二人を少し離れた位置から見ていたからか、お互いのことをちゃんと理解して、間を取り持とうとして、でも中途半端に口をはさむことしかできない、そんな印象でした。

活躍面からみても範頼の手柄は少ないですが、でも、上下が目立つだけできちんと成果を上げているようにも見えました。

最終章のタイトルにはちょっと騙されました(^^♪ 事前にちょっと調べていて範頼の最期を読んでいたからの誤解だったのですが、でも、面白かったです。「範頼、今までで一番格好いいじゃん!」と思う一章でした。

義経とか静御前とか、頼朝とか、源平合戦前後の話もいろいろと読んでみたいな、と思う一作でした。たぶん、古い分資料も少ないでしょうし、小説も少ないのかもしれませんが(^^♪