徒然なるままに

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死の臓器(麻野涼)

タイトル:死の臓器

著者:麻野涼

評価:★★★★

 

臓器移植がテーマの話です。

一応ミステリーなのですが、この方の特徴?なのか、ミステリーというよりヒューマンドラマに近い気もします。

どこまでも患者のためを思い、家族よりも患者のことを考え、命を救うために癌患者から摘出した腎臓(がんの摘出を行ったうえで、両方のにきちんと話して)を使って臓器移植をする医者、金もうけのために臓器売買を影であっせんしている医者、権力者におもねるために、ある医者をつぶそうとするマスコミ……そして、真相を調べて記事にしようと動くマスコミ、そんないろいろな人の思惑が感じられる話でした。

腎臓移植をする医者は、本当にどこまでも患者のことだけを考え、生かすことを考えるいい医者なのだろうが、同意書のような意思確認書へのサインはほぼなし。そんなのは言い訳のために書かせているだけだ……と言っていましたが、そのせいで不当な移植をしているのではないかとバッシングを受けていました。どこまでも患者のことを考えているのはすごいけど……それ以外何も考えない医者はかなりまずいのでは??? こういう人にはしっかり者の医療事務か看護師の奥さんでもいればいいのに、とつくづく思っていました。でも、元奥さんがどんな人かは知らないですけど、そういう医者に嫁いでうまくいくタイプではなさそうでした。

一応事件も丸く収まったのだけど……ちょっと最後が駆け足かな? という気もしました。もう少し、最後を丁寧に書いて欲しかったです。ただ、話自体は面白かったので、続編を読むのが楽しみです。そしれ、今度は移植問題をどう書いてあるのか、楽しみです。