タイトル:半妖の子 〈妖怪の子預かります〉
著者:廣嶋 玲子
評価:★★★★★
妖怪たち向けの託児所?として日々過ごしている弥助のもとに新たな預け人が。
今度の預け人は妖怪と人間とのハーフの女の子。雰囲気的には人間的で特別な力なんて持たなさそうで、でも、化けいたちである父親譲りの身体能力を持つ女の子。
でも、夫が化けいたちという妖であることを認めることのできない母のもとで育った娘は、自分が妖の地を引いていることを受け入れることができず、とあることから父が母を殺したと思い込んでいたこともあり、妖怪に対する嫌悪感が凄かったです。
そんな彼女に根気強く接し、少しずつ心を開いていく弥助は凄いと思います。なんていうか、本当に十代前半の子供なのだろうか??? ベテラン保育士も真っ青じゃなかろうか???
弥助君妖怪になってくれないかなとちょっとだけ期待しているのですが、たぶん、ならないだろうな、という気がしてます(実際どうなるのかはきっとこの続きを読んでいけばわかるのでしょう)
今回は妖の血を引いていることを認められない女の子と、妖の血筋であればと夢見ていた女(目が青いだけなら、この時代はやばくても今ならまあ、ね、と思わなくもないけど、そこに黒と青のオッドアイとなると、特にこの江戸時代真っただ中じゃあ、生きづらかっただろうな、と思いますが……)。というかこの女私普通に妖だと思ってました。これ、人だったのね……。
次の話はたぶん久蔵メインみたいです。この話の最後に、次につながる話が出てくるのって、このシリーズでは初なきがします。久蔵と、あの初音姫との物語を楽しみに読みたいです。