徒然なるままに

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千吉と双子、修業をする 妖怪の子、育てます(著 廣嶋 玲子)

タイトル:千吉と双子、修業をする 妖怪の子、育てます

著者:廣嶋 玲子

評価:★★★★★

 

妖怪の子、育てますのシリーズ第2巻。前作で散々な目にあった千吉。1巻の最後で朔ノ宮に弟子入りをした千吉が双子と一緒に修行をする日々でした。雑用ばかりの修行の日々、というのはまあ、そうだろうな、と思ったのですが、千吉からすると焦りなんだろうな、と。大好きな弥助を助けることができる力を得たいのに、やるのは雑用か遊びばかり。そして、ようやく教えられた技も自分が望んだものではない。それどころか役に立たないじゃん、いつ使うんだよ!! と思っているのがもろわかり。

強い力を持っていたであろう妖、千弥が記憶を失い子供になった姿のはずなのに、どことなく妖の強い力を持っているように見えない千吉。なんでだろう、と思っていたその理由もわかりました。なんだろう、もしかしてこの子、弥助と同じように年を取って、弥助が老衰で亡くなったら、同じようにぽっくり逝っちゃうんじゃ……と思ってしまうような危うさを感じました。

人である弥助がどう考えても先に逝く。今までは千弥はそのあとをどうするんだろう、って想像もつかなかったですが、今は、なんとなくそんな未来が予測ついてしまいます(実際にどうなるかはわからないですけどね。そんな想像をしてしまうような関係性だな、と)

千吉はやっぱ千弥なんだな、と思う一冊でした。千弥のほうが年上で、自身を抑えるすべを持っていただけ(抑えきれていなかった気もしますけど)なんだな。でも抑えてくれていただけ私的には千弥のほうがまだいいかな、と思ってしまう(-_-;) たぶん、年下で幼子なだけ本来なら千吉のほうが可愛いのでしょうけど(-_-;)

こういう感想を持つあたり、冷めてるんだな、と思ってしまいます。でも、冷めていて人と距離をおきたがりな私にいろいろな感情や体験を与えてくれるので、小説を読むことはやめられません。

次は短編集らしいです。しかも、読者に募集した妖が出てくるみたいなので、楽しみです。