タイトル：能面検事の奮迅
著者：中山七里
評価：★★★★★
能面検事シリーズの第2弾。大阪の検察局の不祥事。今回は、珍しく？ この物語の時間軸では殺人事件は起きていませんが、癒着問題での捜査がまさかの過去の……それもかなり過去の殺人事件の真相を暴くことになるなんて……
たった一つの、それも、自分たちのものではないその秘密を守るためだけに、癒着の疑いがかけられても、沈黙を貫き通した2人には脱帽です。
今回もまた前回同様に語り手は事務官なのですが、なんていうか……耳が痛いなこの事務官、と思わず遠い目をしてしまった。
私はここまで頭がよくないし、優秀でもない、けど……なんていうか、ところどころ、私が自分でムムム……となっているあまり好きではない部分が見え隠れしている（でも、この事務官の凄いなと思う部分は私が持っていない部分なので、余計になんか悲しくなる💦）のでちょっと遠い目をしてしまいました💦
ただ、それとは別に不破検事のわかりづらい優しさに思わずニマニマしてしまいました（これを無表情でやっているから、誤解されるんだよな……事務官にもわかっていなかったし）
今回、以前出てきた岬検事（大好きな、ピアニスト 岬洋介のシリーズの主人公のお父さんの検事さん）が出てきたのはうれしかったです。中山七里さんの小説って、誰に視点があっているかによって、登場人物の印象ががらりと変わるのがいいですよね。現実的だなって思います。同じ人に対する印象も、人によって違いますしね。だから、やっぱり中山七里さん、好きです。
現時点であと１冊出ているんですよね？ 積読本がたまりにたまっているので、若干間は空きますが、絶対に読みたいです。
