徒然なるままに

本の紹介や、シェイプアートなどなど、その時々ではまっていることをご紹介します★

祈りの国のリリエール3

タイトル:祈りに国のリリーエル3

著者:白石 定規

評価:★★★★★

 

魔女の旅々シリーズのヒロイン、イレイナさんも出てくる祈りの国のリリエールシリーズの第3弾。今回は、あの祈りの国、クルルネルヴィアの建国と、彼らと敵対をしている敵の祈物と不思議な店主リリエールの過去や秘密が紐解かれました。

そういえば、魔女の旅々で、不老不死?の少女の物語があった気が(記憶のかなたですが……)しますが、どうやらそれともリンクしているそうです(どこかでタイミングを見て読み返してみたいと思っていますが、今、積読本が恐ろしいことになっているので、時間はかかりそう……そのころにはその衝動も忘れているかも???

読み返したいと思うことも多いのですが、あまり実現しないんですよね? だって新しい本のほうが読みたいので、本を読むためだけに時間が増えてくれればいいのにと願う今日この頃。

この方の本は初めに登場人物紹介的な挿絵が何枚か入りました。そこに「旅の魔女 クルルネルヴィア」とあって、え? ここに出てくる旅の魔女って、クルルネルヴィアじゃなくてイレイナだよね? なんかの間違え? とか思っていましたが、そんなはずもなく、ああ、こういうことか、と納得しつつ、ずっと不思議だった疑問が解き明かされていく事実にドキドキしながら読み進めていました。

この、魔力が普通に存在している世界で、魔女でさえ魔法が使えない国、なぜそんなものができたのか、それを作った人は何を考えて作ったのか、不思議でしたが、建国の主はとてもやさしくて、人が大好きだったんだな、と感じました。人が好きで、自分が死んだそのあとでさえ、人々を信じ、成長していける道を望んで作った国。そして、愛弟子の一人、リリエールが普通に成長して死を迎えることのできる可能性がある国、自分最後の願いとして、そんな国を作ったクルルネルヴィアと、彼女を敬愛し、国の行く末をそれぞれの方法で見守ろうと決めたリリエールともう一人の弟子。

国が彼らの建国の師、クルルネルヴィアが望んだ平和な形に少しずつ成長していったのだろうことがわかって、とてもほっこりした気分にもなれました。それ以上にいろいろと悲しい気分にもなりましたが、それでも最後にそのすべてを吹き飛ばしてくれたのが私には嬉しかったです。

この物語は、一区切りではあると思いますが、まだまだ続くことのできそうなので、続きを楽しみに待っていたいです。