徒然なるままに

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殺戮の狂詩曲(著 中山七里)

タイトル:殺戮の狂詩曲

著者:中山七里

評価:★★★★★

 

中山七里さんの中で私が好きなシリーズの一つ、悪徳弁護士・御子柴礼司。

冒頭からとんでもなかった。御子柴弁護士のシリーズなら、絶対に御子柴が勝つ、という思いの元で読み進めていましたが、冒頭を読んだ時点で、「え? これ……御子柴弁護士が勝ったらヤダな」と本気で思いました。でも、負けたら御子柴弁護士のシリーズのだいご味が、でも、と、頭の中ぐるぐるぐるぐる、なんかイヤーな心地を感じながら読み進めていました。

もうじき終わるけど、逆転しそうもないんだけど? と思ったいたところで起きたある意味の逆転劇。このシリーズの中では珍しい結果でしたが、これが一番いいかな、と思いました。完全勝利ではない、結果だけ見れば黒星。でも、たぶん、御子柴の依頼人である殺人犯もある意味の救いを得ることができて。しかも、最後の最後までさっぱりわからなかった御子柴弁護士の真意。この人はなぜ、こんな負け戦に、しかも、だよ? 依頼料に一千万、二千万は当たり前、貧乏人は相手にしないであろうあの御子柴弁護士が、国選弁護人? え? マジで????

その理由が分かった最後。めちゃくちゃわかりづらくて、毎回最後まで分からないのだけど、そうだった、この人もかなり人間味があふれた人なんだった、と思える理由にちょっとほっこり。ハッピーエンドではない、とは思いますが、とてもいい終わりだったなと思います。

中山七里さん、やっぱ好きです♡