徒然なるままに

本の紹介や、シェイプアートなどなど、その時々ではまっていることをご紹介します★

能面検事(中山七里)

タイトル:能面検事

著者:中山七里

評価:★★★★★

 

中山七里さんの小説を読むとき、毎回登場人物がどの話と被ってるかな、と考えてしまいます。同じ世界観の中で少しずつ重なり合っている小説というのが好きなので(^^♪

今回、語り手の上司であり、この物語のメイン人物、能面検事の不破検事。名前を見て、「あ!」と思いましたが、そもそも頭に浮かんだのは刑事だし、出てきた小説の作者が違う(-_-;) ただ単に名字が同じだけでした(頭の中で混ざっている……💦)

 

無表情で決して感情を表に出すことなく、淡々と職務を全うしていく検事、もはや向かうところ敵だらけでした。なんせ、気を使ったり、言葉を濁したりなんて絶対にしない。

そして、その検事とは正反対、まっすぐで教育係だった上司には「リトマス試験紙」とまで言われるほど表情を変える検察事務官の惣領美晴。その凸凹コンビの物語です。絶対合わないだろこの二人、と本気で思っていましたが、最後にはなんとなくいいコンビだなと思いました。まあ、ただただ翻弄されているだけのヒロインではありますが。

今回の舞台は大阪府。そこの地検と府警本部や所轄なんかが中心の舞台です。起訴されて警察から情報が上がってきた事件を調べる、という流れなので警察ものとはちょっと経路が違う物語でした。今回前半で一つの事件が解決したのでてっきり短編連作集かと思ったら、次の章では事件が次に持ち越しで……初めの事件もある意味で始まりでしかなくて、普通に長編でした(^^♪

警察の不祥事、それを事件を解決するために必要という理由で暴いた検事。私はてっきりその不祥事の後ろに大きな陰謀が隠されているのかと思いきや、その不祥事は本当に単なる管理不足(といっても七十人以上の署員(管理職含めて)処分されるような大きな不祥事でしたが)でした。ただし、それを利用した人がいて、そのせいで事件がややこしくなってしまっていました。

能面検事シリーズは現時点では3冊出ているみたいなので、残り2冊は購入予定です。

最近kindle unlimitedで読める中山七里さんの話が増えてきている気がしてうれしいこの頃です。大好きな作家さんですが……お金と時間の関係で読み切れていないので💦

時間とお金が欲しい、切実に。