徒然なるままに

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塗仏の宴 シリーズ(全6冊)


  

タイトル:塗仏の宴 宴の支度・塗仏の宴 宴の始末

著者:京極夏彦

評価:★★★★

 

長いシリーズでした。6冊読むのに1か月半くらいかかってしまいました(;^_^A でも、やっぱミステリーって後半は読む早いな、と再認識しました。なんていうか、やっぱ解決編って最高、ですよね。宴の始末の2-3巻(最後の2冊ですね)は3~4日で読んでしまいました(前半4冊を読むのに1か月以上かかったのとは雲泥の差ですね(-_-;))

評価は、最後の2冊だけなら完全に★★★★★でした。なかなか現実世界に戻れなかった(;^_^A 仕事前に読んでて、コートを脱ぐ途中でipadを見ながら固まっていて、上司で本気で心配されてしまいました(-_-;)

 

この塗仏の宴は多分京極堂にとって正念場となる事件、だったのではないでしょうか?そんな印象を受けました。京極堂はいつも腰を上げるのが遅いですが、今回は特に、というか何かしら恐れている気がしました。動くことで余計に嫌な状況になってしまうと思っているような、そんな感じでした。

それにしても、あれだけのとんでもない大風呂敷をしっかり畳んだのはさすがだと思いました。催眠術で人の記憶を弄っていることは初めからわかっていましたが、語り手がその被害者であるので、語り手自身の意識が混濁して、よくわからない状況を語っているので、かなり頭が混乱しました。

いつもは、たまにほかの人視点が入ってもメインの語り手は基本一人でしたが、このシリーズはめちゃくちゃたくさんの語り手がいました。関口さんもいましたが、ほかにも過去の事件の関係者から、今回初めて出てくるキャラクターまで多岐にわたります。でも、その語り手のほとんどが記憶を操られている部分もあって、全貌をつかむことが難しかったです。

それでも、最後にはいろいろな謎が解明されたのはさすが、という感じです。今回の黒幕としてできた堂島? たぶん、京極堂の天敵のような男性ですが、きっとこれから先、この人と、この人が京極堂の憑き物落としの技を仕込んだ男の子はこれから先のストーリーでまた、出てくるのかな、と思いました。早々に退場する可能性もあるとは思いますが、あの、茜さんのように。いや、あの人、京極堂の好敵手になる、かは分かりませんが、何らかの形で物語に拘わってくれると思っていたのに……想定外の退場、早い(;^_^A

ただ、堂島たちは、そう簡単に退場させられるとも思えないのですが。

 

京極堂のシリーズはまだまだ続いていますので、ゆっくりと読んでいきたいです。