徒然なるままに

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今昔続百鬼 雲(京極夏彦)

タイトル:今昔続百鬼 雲

著者:京極夏彦

評価:★★★★★

 

京極夏彦の電子百鬼夜行シリーズ、30巻は、京極堂の物語ではなく、妖怪研究家として一度出てきた(どの話でかは忘れてしまいましたが(-_-;))多々良勝五郎さんの物語でした。といっても、いつも通り語り手は別の人……今回は彼と一緒にいろいろな場所へ妖怪の逸話を探して旅をしている沼上という男性です。

なんというか、物語の中で始終腹立てている人でした(-_-;)

物語は4編にわたり、やはり短編連作集なので、前作同様に読みやすかったです。今回は主人公がそもそも妖怪好き(貧乏で勉強は独学で本を読むことくらいしかできませんでしたので知識に偏りはあるようでしたが)が語り手ということもあり、話し言葉での妖怪解説ど同じくらい地の文での妖怪解説もありました。

一応ミステリーなので殺人事件などもあり警察も出てきたりもしていたのですが、なんていうかすべてが偶然でした(-_-;)

なんというか、妖怪のことしか考えていない多々良さん(そして、自分本位に生きているような印象を感じました)とそれに振り回されている沼上さん。そして、多々良さんは本当に常に妖怪のことを考えていて、その考えている妖怪の解説が、なんというか犯人が「あれ? 俺(私)の犯罪、全部バレてる?」と誤解して、自首する人、殺そうとする人、と様々でしたが、そこで犯人が分かります(が、多々良さんは何もわからず妖怪のことだけ考えているので、最後にその事件を解いたはずの多々良さんが、警察の人から説明を受けた沼上さんに事件を解説してもらうということもありました(だって、多々良さんが説いたと思っているから、多々良さんには誰も説明しない)

京極堂と多々良さんとの出会いの物語もありました。はじめ、「古本屋」という黒い服の男がもしかして、と思ったら、やっぱピンチで出てきていつものような憑き物落としをしたので、やっぱ京極堂さんか、と。これが、どうやら彼らの出会いのようでした。

それにしても、沼上さん、あの状況でよく多々良さんに付き合うなぁとちょっと関心もしていました♪♪