徒然なるままに

本の紹介や、シェイプアートなどなど、その時々ではまっていることをご紹介します★

スイッチ 悪意の実験

タイトル:スイッチ 悪意の実験

著者:潮谷験 

 

この本を手に取ったのは完全に偶然でした(ちょっと、呼ばれた気もしましたが(-_-;))が、こういう話、好きです。

同じ大学に通う学生やそこで働いている人、彼らがとんでもない破格の報酬をもらえるというアルバイトをすることになりました。そのアルバイトとは心理学の実験に協力すること。スイッチのアプリをスマホに入れて、そのスイッチを押すと、ある善良な(?)パン屋さんが破滅するというもの。一瞬ファンタジーか?と思いましたけど、そんなはずもなく、今にもつぶれそうな自転車操業(というより援助金なくして立ち行かない)のパン屋さんへの援助を引き上げるというもの。

前半は、そのスイッチを押すか、押さないかそんな葛藤でしたが、スイッチが押されると、それはとんでもない事件の幕開けでした。

犯人も初めからわかっているようでしたが、その犯人が隠す真実があって、その事実はちょっと意外でした。スイッチを押した人が見つかったら終わりだと思いましたが、そのあとにもひと悶着ありました。

そして、この話はミステリーであると同時に、人の成長物語なんだな、と思います。主人公が心の殻を破る、その瞬間を見ることができ、そして彼らの心の動きや成長から目が離せませんでした。

ただ……主人公の友人の女の子、彼女は凄いなと思いました。見て見ぬふりをするような、そして、気になっても声をかけられないであろう自分の心をしってちょっと恥ずかしいな、と思ってしまいました(-_-;)

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