徒然なるままに

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百器徒然袋 風(京極夏彦)

タイトル:百器徒然袋 風

著者:京極夏彦

評価:★★★★★

 

電子百鬼夜行シリーズの31巻。私が京極夏彦を読み始めてから半年くらいか、読んだな~~という気がします(^^♪

以前読んだ「百器徒然袋 雨」と同様に榎木津探偵がメインの物語で、語り手は前作で登場した「僕」です。この人の語りが面白いのに……榎木津に適当に名前を呼ばれているからか、ごめんなさい、名前が覚えられません💦

今回は3作の短編連作集です。やっぱり、全体的に榎木津のぶっ飛び具合が面白いですが、なんとなくあの探偵の印象が変わる一作でした。馬鹿だ、愚かだ、と言っていても、仲間(下僕)は大切にするんだな、と思ってしまいました。ただ、やっぱりよくわからない人なのだけど。

今回は、榎木津の下僕たちが変な事件に巻き込まれ(というより、嵌められて)、窮地に立たされていきます。そのすべてが逆恨みなんて……というか、あれだけ恨んでて、いろいろと手の込んだことをしていても、実は計画が成就したら割を食ったり傷つくのは榎木津ではなく、下僕たちだけなのだから……敵のことはちゃんと調べろや、と思わず思ってしまいました💦

榎木津探偵の父親、ある意味で存在感だけはあった榎木津元子爵様ですが、初めて生身の人間として出てきたのを見ました。ああいう人なのか、と思う反面、なんとなく想像できてしまってちょっと笑いました。読みながら、榎木津元子爵が出てきた場面が頭に浮かんできました。にしても、あの親子、話には聞いていたけど、本当に親子か??? というくらい印象が違いました。でも、あの榎木津探偵がかなわない数少ない相手なので、もっと出てきてほしいなと思う反面、謎な人のままでいてほしい気もします(^^♪

電子百鬼夜行シリーズもあと少しですが……そのほかにもいろいろと出ているんですよね。少しずつ、集めて読んでいきたいです。